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もう何年も前に亡くなった、私のおじいちゃんは、私のことが大好きだった。
5人いる孫の中で、私を一番可愛がってくれた。 私は、小さいころ、驚くほどの健脚の持ち主だった。 大人が歩いても疲れるほどの距離を、黙々とどこまでも歩いた。 だから、おじいちゃんは、私を散歩に連れて行くのが好きだった。 夕方になると、「行くぞ」と言って帽子をかぶる。 それが散歩の合図。 決まって家の前の川沿いに歩き、ホームレスの人々としゃべる。 別に、心配して声をかけたり、差し入れをしたりするわけじゃない。 ただ、会話を楽しむ。 ほんの子供だった私は、彼らを「川のそばの質素な家に住んでいる、おじいちゃんのお友達」だと認識していた。 そして、実際にそうだった。 そんなわけで、ホームレスの人々を見ると、おじいちゃんを思い出す。 厚生労働省の平成15年度の資料によると、全都道府県の中で、大阪府はホームレスの数が一番多いらしい。 これからの季節は辛いだろうな。 お正月に一人ぼっちって寂しいだろうな。 知ってる人も多いと思うけど、The Big Issue という雑誌がある。 The Body Shop を創設した Anita Roddick がダンナさんと一緒に立ち上げたホームレス支援雑誌。 販売員は、最初だけ無料で10冊の雑誌を配布され、それを1冊200円で売って2,000円つくる。その後は、1冊90円で仕入れて200円で売るので110円が収入になる、というシステム。 「何とか今の状況を抜け出したい」と思う人には、いいキッカケになると思う。 その雑誌に、販売員をやっているホームレスの人が、自分の人生を語るページがある。 読んでると、ホームレスになるきっかけって、本当に些細なことだったりする。 体を壊して今までの仕事ができなくなったとか、災害で店を失ったとか。 誰にでも「誰かが助けてくれなきゃ何ともならない時」があるけど、その時に助けてくれる人が居なかった、それだけ。 この Anita Roddick という人は、ものすごいパワフルな活動家で、彼女の思想全てに賛同するわけじゃないけど、でもその姿勢は大好きだ。 こないだの誕生日で33歳になった私。 この1年は、「活動」の一年にしたいな。
by mimomi-r
| 2006-11-21 09:15
| 日々
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